集団疎開の語り部(その一)

集団疎開のご利益で幼い晧三の性格は根底から変わった。親元を離れ一カ月目は仲間の何人かはホームシックに罹り、脱走した。

朝起きると、「脱走」と担当の先生から合図があり、役所に連絡。直ぐさま、藤枝の駅の線路を東京方面に向かって歩いている所を連れ戻されると言う事件が何回か起きた。

だが、小生、晧三にとって、盤脚院での集団生活は、逞しく、強くして呉れた。

集団疎開は人生の第一回目の昆虫の脱皮だったと考えている。

0コメント

  • 1000 / 1000