音楽と絵画の違い

かなり以前の話だが、芸大の音楽の教授に出会った。そこで耳目を奪われてしまうようなた話が出た。それはピアノの指導でバイエルやツエルニーで固められると、型に嵌められるが、その域を出ないので危険なのだ。ドイツでは最早バイエルやツエルニーは古いのだ。と言う内容だった。同じように、芸大の美術の教授に同じような話を聞いて、ビックリすると同時に、最近では、納得する面が多くなって来た。横浜の絵画グループの中で傑出したご老齢の絵描きさんがいた。その絵描きさんは、仲間うちでは「日本のゴッホ」と言われていた人物で金子次郎と言った。彼は絵画で「お上手ですね」と言う言葉は褒め言葉では無い。絵画での唯一の褒め言葉は「面白いですね」と言ことう表現が最高の賛辞であると言う事だった。彼がある時、絵画教室へやってきて、「今も、平塚美術館から直行して来たのだが、あの竹下夢二の絵をみて、自分の絵には、未だ外連味(けれんみ)があって自己嫌悪に陥っている」とか「予備校で石膏デッサンをあまり遣りすぎて、固まって仕舞うと」絵描きにはなれないものだと、言う言葉を、先の音楽のバイエル、ツエルニーの型に嵌ると言う事と重ね合わせ、日本の教育全てに思いを馳せるのだ。殺人狂を作ったチャップリンは楽譜など勉強はしていないし、ピカソはアカデミックな学校は15歳で退き、ノイエザッハリヒカイトで自由に制作した。音楽も絵画も一番大切なのは”感性”だと思う。基本的に音楽は筋肉運動や運動神経で「熱いものに手を触れると手を引っ込める」無条件反射でするが、絵画「梅干を見ると、唾が出て来ると言うのは条件反射で背筋神経を通過する」事で音楽と絵画には、同じ芸術ではあっても違いがある点は、教育を考える時、留意するべき事だと思うのだ。幼児から小学校の5年生位までは、紙と鉛筆を 与えると夢中でお絵かきはするものです。所が6年生位からだんだんとお絵かきから遠ざ かり、絵おを描く人を見る側に立って自ら絵を 描く事から遠ざかって仕舞うものでと言う、そんな  話を聞いた事があります。それも芸大の大学院を卒業した先生が仰るので、果たして本当なのかと思うようになりました。学習塾をやっていた頃、小学校5年生の男子に 「拳骨」を見て鉛筆でデッサンさせた事があった が、20名の中、2人だけが、見事に「拳骨」を描いたが他の生徒は、むしろ嫌がり、上手とは 言えないものだった。 「拳骨」を上手に描いた生徒は、実は国語力 も中2の問題を標準40分の問題を10で終えて 点数も100点だった。 絵を描く事と、学校の成績がどのような関係を 持っているのか、又絵は音楽とどのような関わり があるのか、考えてみたいと思います。 音楽の好きな子供は行動が派手で目立てスポーツ系で絵画が好きな子供は目立たない、寧ろ静かな内省的な子供が多かったと記憶している。天は二物は与えないが、必ず一物は与えているので、之を親は真剣に見極め、 限りなく本人に向上心だけを植え付け、本人自身に上を見て歩ませる事が一番大切な事だと思う。



山上隆之輔の伝言

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